パリの東から

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バッハ「無伴奏チェロ組曲」~はじめに
~間違いだらけの「無伴奏チェロ組曲」~

チェリストの皆さんはバッハの「無伴奏チェロ組曲」の楽譜は何をお使いだろうか?
日本では全音から出版されていることもあって、ジャンドロン版がよく利用されているようだし、20世紀の定番と言ってよいベーレンライター社のヴェンツィンガー版も相変わらず使われていることだろう。

他にも多くの版があるが、残念ながら音の問題に関してはどれもこれも間違いだらけである。まずはこちらの正誤表で修正していただきたい。→バッハ「無伴奏チェロ組曲」正誤表

なぜそんなことになったかと言うと、何よりまず第一に、この曲のバッハの自筆譜が残っていないことが最大の原因であるが、バッハの自筆譜から直接写されたと考えられる2つの筆写譜、バッハの妻アンナ・マグダレーナによるものと、バッハの弟子(友人とも)ヨハン・ペーター・ケルナーによるものが、互いに食い違っているところが多々あるためでもある。

アンナ・マグダレーナのものはよく知られていて、チェリストの中にはこれを偏愛する人もいるようだが、ケルナーの筆写譜も実に貴重なもので、これなしでは「無伴奏チェロ組曲」の正しい音は決して知られることがなかったと言ってよい。

その他に18世紀の後半に書かれた2つの筆写譜が残っていてC資料、D資料と呼ばれているが、これら4つの筆写譜の間の正しい関係が、ぼくが研究するまで誰にもわからなかったという事情もある。C資料、D資料がアンナ・マグダレーナの筆写譜の子孫であることはあまりにも明白なのに、2000年の時点でベーレンライター社が出した研究資料を見ても、そのことがまったくわかっておらず、あまりに貧弱な図しか載っていないのである。

その他に、この曲の世界最初の出版譜が、校訂されないまま大急ぎで出版されたためミスだらけであったことや、カザルスによってこの曲の真価が知られるようになるまでは、練習曲としてしか考えられていなかったこともあるだろう。

また最近ぼくが考えていることは、ドイツが東西に分裂していて、D資料以外の3つの筆写譜が東ベルリンにあったベルリン国立図書館に保管されていたために自由に利用することができなかった、という事情もあると思う。


ぼくは2010年から「無伴奏チェロ組曲」の自分の版を作り始めたが、まず厄介なスラーの問題を放棄して音の問題に集中した。そのため、これまでの出版譜の多くの間違いを修正することができたのである。この「スラーなし版」は2013年に完成して、ぼくのブログ別館「横山真一郎 の 楽譜書庫」及び無料楽譜サイトIMSLPで無料公開しているので、大いに利用していただきたい。→バッハ「無伴奏チェロ組曲」(スラーなし)全曲版

そして現在は「スラーあり版」の作成も始め、すでに「第1番」は出来上がったが、全曲完成はまだまだ先のことになりそうであるし、改訂は一生続くことになるだろう。

また楽譜作成の過程で気づいたことは、このブログに記事として書いているので、ぜひ読んでいただきたい。こちらのまとめからどうぞ。

バッハ「無伴奏チェロ組曲」まとめ



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  1. 2014/07/13(日) 12:31:35|
  2. 無伴奏チェロ組曲
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著作権侵害の楽譜DVD
日本(語)では売っていないようではあるが、ぼくの作品の楽譜を無断で売っている(いた)団体があるので注意しておきたい。

The Clarinet Institute of Los Angeles
http://www.clarinetinstitute.com/index.html

ぼくは自分の作品の楽譜を、自分のブログおよび無料楽譜サイトIMSLPで無料公開している。ところが無料で公開しているからといって、それをぼくに無断で勝手に売っていいと思っている人間がいるのである。

無料(フリー)であることとパブリック・ドメイン(公有、著作権切れ)であることを混同しているのである。無料で公開はしているが、ぼくは自分の作品の著作権は放棄していない。著作権はあくまでぼくに属しているのである。

ぼくは自分の作品についてはIMSLPの「演奏制限、商用及び改変禁止ライセンス」あるいはクリエイティブ・コモンズの「表示・商用及び改変禁止ライセンス」で公開している。これはつまり、商用利用したり、改変したりしない限りは、自由に配布・演奏していいですよ、と言う意味である。しかし商用利用したり、改変したい場合は著作権所有者に許可を得なければならないのである。

ところが上記の団体はぼくに無断でほかの作曲家の作品の楽譜とともにDVDにして売っていたのである。抗議のメールを送ったら、ぼくの作品はリストから削除した。しかしぼくと同じような、著作権の切れていない作品は削除していないところを見ると、まだ全然何が問題なのか理解していないようである。

いやはや、楽譜や本を売るということは常に著作権の問題と一体であるのに、著作権についての初歩的知識もなしに楽譜を売るとは、あきれ果ててものも言えないのである。

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  1. 2014/07/11(金) 17:18:05|
  2. 著作権
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