パリの東から

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ドッツァウアーの練習曲(エチュード)
ドッツァウアー(Dotzauer、ドッツアー、ドッツアウアー、ドッツァワーなどとも、1783-1860)はドイツのチェリスト。ドレスデン宮廷歌劇場管弦楽団でウェーバーやワーグナーの指揮の元、首席奏者を努めた人である。自身、チェロ協奏曲のほか、室内楽やオペラ、交響曲などを書いた才人でもある。

Friedrich_Dotzauer 2

しかし今日ドッツァウアーと言えば、ほとんどのチェリストにとっては何よりも「113の練習曲」(全4巻)で知られる。

しかしこれはグリュッツマッハーの弟子、クリンゲンベルクがドッツァウアーの書いたいろんな練習曲集から抜粋して、難易度の低いものから高いものへ並べ直したもの。もちろん本人は真面目に考えてのことだろうが、このためにひどく鬱陶しくうんざりするものになってしまった。世の中にはフランコムとかピアッティとかポッパーとか、ほかにもいろいろ楽しい(?)エチュードがいっぱいあるというのに、ドッツァウアーだけ113曲も並べられたらたまったものではない。

そのせいかフランスではどうもドッツァウアーは人気がないようである。ぼくの先生の一人、レーヌ・フラショー氏もひどく毛嫌いしていた(おそらく若い頃散々練習させられたからだろうが)。

しかしどう考えてもそれは不当だ。華やかさは少ないかもしれないが、ドッツァウアーの音楽性はなかなかいいと思う。中庸であり、チェロ・エチュードのスタンダードと言って良いだろう。悪いのは113である。

ドッツァウアー自身のオリジナルは、12曲とか24曲とか7曲とか少数の曲集なのである。大体それぞれの曲集で難易度が決められており、しかも曲の内容はヴァラエティに富んでいる。これなら一つ一つの曲集を、学習者のレベルに応じて仕上げていくことができる。113のようにいくら弾いてもまだたくさん残っている、といううんざり感に悩まされることもない。

幸いにも現在ではIMSLPでそれら個別の練習曲集を見ることができる。是非ともそれらで練習してみることをお勧めします。ドッツァウアーが俄然楽しくなること請け合い。
http://imslp.org/wiki/Category:Dotzauer,_Friedrich

(とは言ってみたものの、結局はドッツァウアーの練習曲を113以上に増やしたことになるのだから、ますますうんざりさせているような気がして来た。ドッツァウアー・マニア(?)の人だけにお勧めすることにしよう。)

またドッツァウアーの300以上あるという練習曲を抜粋してまとめたのはクリンゲンベルクだけではない。パリ音楽院のチェロ教授ルーブ(Loeb)もおそらく100曲を選んでクリンゲンベルク同様4巻にまとめているし、「170の基礎的練習曲」で知られるアルヴィン・シュレーダーも60曲を選んで2巻にまとめている(これはIMSLPで見ることができる)。

ルーブ版は今日最初の2巻だけが出版されているようだが、クリンゲンベルク版が圧倒的に普及しているのは、案外選曲がいいからかも知れない。ルーブ版が手元にないので比較できないが、シュレーダー版に関してはクリンゲンベルク版第4巻に見られるような高度な練習曲が欠けている。これではドッツァウアーの練習曲の全体像を知ることはできない。

ただし、ドッツァウアーは重音の練習曲を結構たくさん書いているのだが、113には少ない。クリンゲンベルクは重音が嫌いだったのだろうか?

ところで、クリンゲンベルクをドッツァウアーの弟子と紹介しているのをインターネット上で見かけるが、多分誤りだろう。クリンゲンベルク(1852-1905)はドッツァウアーの亡くなった年(1860年)には8歳だったわけだから、出会った可能性が絶対ないとは言えないが、彼はドッツァウアーの弟子であるドレヒスラーの、さらに弟子であるグリュッツマッハーの弟子、つまりドッツァウアーのひ孫弟子に当たる。全く関係がないとは言えないが、かなり遠い。

ドッツァウアーのオリジナル版について。

現在IMSLPで見ることのできるドッツァウアーの練習曲のうち、作品158と作品175はオリジナル版のようである。その他のものは他のチェリストによって校訂されており、指使いや強弱記号などが付け加えられている。

そこでオリジナル版と校訂版とをざっと比べてみたところ、オリジナル版は強弱記号に関してはかなり少なく、曲によっては全く書かれていないこともあり、指使いも控えめである。そのため実際の練習にあたっては、確かにそれらを補う必要があるだろう。

しかしながら、クリンゲンベルク版については、指使いに関してはオリジナルをかなり尊重しているものの、強弱に関しては少し書き加えすぎているような印象を受ける。クリンゲンベルク版を使う場合、それらの強弱記号はほとんどドッツァウアーによるものではないことを頭に入れておく必要があるだろう。また彼はほとんどいつも曲の終わりに、ラレンタンドやリタルダンドを書いているが、それらもオリジナルにはない。

ひとつ例を挙げると「113の練習曲」第2巻の第48番は、作品158の第7番であるが、そこに書かれてある強弱記号は全てクリンゲンベルクによるものであり、オリジナルには一つもない。
_____________________________________

さて、ここで「113の練習曲」のそれぞれの曲の元の曲集は何か一覧表にして、チェリストの学習に役立てたいと思う。この一覧表は少しずつ埋めていく予定です。
(現在113曲中、75曲判明)

一番左の数字は「113の練習曲」における番号。次がその曲のオリジナルの作品番号。一番右はオリジナルの中での番号。

作品35 「24の練習曲」
作品47 「12の練習曲」
作品54 「12の練習曲」
作品107 「12のやさしい練習曲」
作品120 「18の練習曲」
作品155 「24の毎日の練習曲」
作品158 「12の練習曲」
作品175 「7つの練習曲」

第1巻

1、120-1
2、
3、120-3
4、120-4
5、120-2
6、
7、
8、
9、
10、47-1
11、
12、
13、120-6
14、120-5
15、
16、107-1
17、107-3
18、47-2
19、120-10
20、107-2
21、
22、120-11
23、
24、120-13
25、120-14
26、47-7
27、120-16
28、54-5
29、
30、107-4
31、
32、47-5
33、120-8
34、

第2巻

35、54-12
36、107-5
37、
38、107-8
39、
40、47-3
41、47-4
42、
43、47-12
44、
45、47-8
46、107-6
47、54-10
48、158-7
49、107-10
50、35-1の後半
51、54-6
52、
53、
54、
55、107-7
56、54-3
57、
58、107-9
59、
60、
61、54-8
62、35-6

第3巻

63、107-11
64、35-11
65、
66、35-14
67、35-17
68、155-24
69、155-2
70、155-15
71、
72、107-12
73、54-9
74、158-8
75、
76、47-10
77、120-17
78、35-8
79、155-13
80、
81、158-2
82、155-7
83、
84、155-16
85、

第4巻

86、155-1
87、155-5
88、158-5
89、
90、158-4
91、155-6
92、54-2
93、175-2
94、155-20
95、
96、
97、158-6
98、
99、
100、
101、155-8
102、155-19
103、175-6
104、155-23
105、158-10
106、158-9
107、
108、
109、155-14
110、155-11
111、175-7
112、54-11
113、

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  1. 2014/02/24(月) 01:21:13|
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