パリの東から

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バッハ「平均律クラヴィア曲集」ヴァイオリンとピアノ用編曲
バッハの「平均律クラヴィア曲集」の中からいくつかの前奏曲(プレリュード)とフーガを、ヴァイオリンとピアノのデュオに編曲しました。

意外なことに、この曲集をこの編成に編曲したものは他に見当たらず、世界初の編曲になるようです。

いくつかの曲においては、ヴァイオリンの音域の都合や、ヴァイオリンとピアノの間の音程を埋めるために、原曲にはない音を(時には大胆に)付け加えています。

無料楽譜です。どうぞご利用下さい。

第1巻
第1番、 ハ長調
第2番、 ハ短調
第8番、 変ホ短調
(ホ短調に移調)
第16番、ト短調

第2巻
第1番、 ハ長調


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  1. 2012/09/16(日) 09:17:33|
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メトード・ローズとErnest van de Verde
新訂 メトードローズ ピアノ教則本(ピアノの一年生)新訂 メトードローズ ピアノ教則本(ピアノの一年生)
(1998/12/10)
エルネスト ヴァン ド ヴェルド

商品詳細を見る

日本でもおなじみ「メトード・ローズ」は、かつてはフランスで最も使用されたピアノ教則本である。今でも楽譜屋にたくさん置いているところを見ると、使っている先生はいるのだろうが、見たことはない。現在フランスのコンセルヴァトワールで最も使用されているのは、"Méthode de piano débutants" という教則本だと思う。

しかしぼくは一人だけピアノの生徒がいるが、「メトード・ローズ」を中心に教えている。"Méthode de piano débutants" も見てみたが、どうにも使えないのだ。何が、と聞かれても答えにくいが、何か底が浅いように思える。

さて「メトード・ローズ」の著者は Ernest van de Verde(エルネスト・ヴァン・ド・ヴェルド)という人で、日本ではほとんど知られていないと思うが、この人は何とヴァイオリンの教則本も書いているのだ。「プチ・パガニーニ」という本で、こちらはフランスで現在も盛んに使用されている。

ピアノとヴァイオリンの双方で、これほど広く使用されている教則本を書いた(おまけに自分で出版社まで作ってそれらを出版した)なんてすごい人だと思うのだが、どういう人だったのか、インターネットを見る限りさっぱりわからない。ウィキペディアにもフランス語版に申し訳程度にちょっぴり書かれているだけだ。

名前からしてもオランダ系(あるいはフラマン系ベルギー人)だし、謎の人 Ernest van de Verde とはどんな人だったのでしょう?

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  1. 2011/10/08(土) 14:14:49|
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無視されたテンポ(ショスタコーヴィチ交響曲第5番)
ショスタコーヴィチの交響曲第5番第4楽章のテンポは、ウィキペディア日本語版にその項目があるぐらい、指揮者によってテンポがまちまちである。何よりも324小節からのコーダでは速い演奏と遅い演奏との違いがおよそ倍にも達するのである。

私の持っている古い全音のスコアではここは4分音符188となっており、それで何も問題がないと思うのだが、およそその倍もの遅いテンポの演奏があり、最近はどちらかと言うとその方が主流になりつつあるようだ。これはムラヴィンスキーに始まるようで、ウィキペディアによると、彼は初演のスコアに4分音符88と書き入れたそうだ。

確かに機械式メトロノームには188と言う数字がないが、だからと言って他に大した理由もなく88の誤植だろうなんて、冗談にも程がある。現在のような電子メトロノームのまだなかった時代でも、時にどの目盛の数字でも満足できず、その間の数字を書く事もあったのである。この場合なら、その前後の184でも192でも納得が行かなかったのだろう。それに188は184と192のちょうど真ん中であり、185とか187ならともかく、作曲者がちゃんと考えて書いたことは明らかだろう。

さらにスコアを素直に見る限り、ここで4分音符88というとてつもなく遅いテンポはどうしても思い浮かんで来ない。その前の流れから見ても、247小節からやや押さえたテンポでたまりにたまって来たエネルギーがここで一気に解放されなければならないところで、それは4分音符88などというほとんど止まりそうなテンポでは決して実現されることはなく、聞く人をただ欲求不満に陥れるだけである。

また全音以外のスコアでここが8分音符188あるいは184になっているものもあるが、こんなところでテンポ表示にわざわざ8分音符を書く作曲家がどこにいるだろうか?ナンセンスにも程があるというものだ。

小クラリネット(Esクラ)のパートが一つのヒントになるだろう(譜例)。木管楽器、ピアノ、弦楽器が皆8分音符でAの音を連打している中で、唯一4分音符を吹いている。これは作曲者が、この音(高いF♯、小クラリネットはE♭の移調楽器なので実際に鳴る音はA)を8分音符で連続して吹くのは小クラリネットにはきついと考えて4分音符を書いたのだ。これが4分音符88あるいは8分音符188なら4分音符で書く必要がない。

(譜例、筆者作成、木管楽器以外は省略)

ショスタコーヴィッチ交響曲第5番

また遅いテンポだと譜例1小節目の3拍目の4分音符の必然性が感じられない。8分音符のままでいいではないかと思えるのだ。そしてピッコロも中断する意味がないように思える。そのまま他の楽器と同様、吹き続ければいいではないか。ここはコントラファゴット、コントラバスを除くすべての木管、弦、そしてピアノがユニソンあるいはオクターヴで鳴らしているのだから、適当なところで休符を入れて息継ぎすればいいのだ。それにこのピッコロの休止の長さは、4分音符188のテンポの場合にぴったりである。8分音符188の場合では不自然に長い。


この部分に関して、ムラヴィンスキーが「歓喜」あるいは「勝利」の表現としては4分音符188ではあまりにもあっさりしていると思って遅くしたのだ、というのをどこかで読んだことがある。どうもぼくにはそれが真相のような気がしてならない。ムラヴィンスキーがショスタコーヴィチより3歳年上だということを考えてみても、ムラヴィンスキーが強引に自分の解釈を押し通した可能性はあると思う。



そのほかの点を見てみよう。

冒頭、4分音符88だがやたらと早い演奏が多い。ここは多分威圧感を出すべきところで、あまり速いテンポはふさわしくないと思う。

冒頭を比較的ゆっくり始めても、8小節から11小節にかけてのアッチェレランド・ポコ・ア・ポコでやたらめったら速くする人がいる。11小節は4分音符104で、機械式メトロノームの数字ではわずか4目盛りの違いで、実際にはアッチェレランドが感じられないぐらいなのだ。

作曲者はそれから108、120、126、132、アッチェレランドと細かく指示して徐々にテンポを上げて行き、ついにトランペット・ソロによる第2テーマ(81小節)で2分音符72(4分音符144)に達する。
ここはまあ誰が振っても大体このテンポに近いが、

その次の112小節(2分音符92)でこれまたやたら遅くする人がいる。ここはその前より速いのだ。92は72より大きい数字ではないのだろうか? ティンパニが減5度の重音で8分音符を連打するという鬼気迫るこの場所をのんびり演奏してはいけない。

247小節は4分音符100 - 108とあり、これは100から始めて徐々に108ぐらいまでに持っていくことを意味するだろう。ここの部分も時々速すぎるテンポを見かける。

それとテンポではないが、154小節において、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのBフラットの2分音符をBナチュラルに「修正」して弾くことが常套化している。ここはヴィオラとクラリネットのBフラットとが半音でぶつかってこそ、その2小節後のEGの3度の澄んだ響きが生きてくる。ただショスタコーヴィチがここに用心のためのフラットを書かなかったのが惜しまれる。


コーダのあまりに遅いテンポはムラヴィンスキーのただの気まぐれに過ぎない。いい加減に終わらせて欲しいものだ。
その他の点についても、指揮者さんにはよく数字を見てほしいと思う。

追記

コーダのテンポについて、これに非常によく似た例を思い出した。

ベートーヴェン交響曲第9番第4楽章、調も同じニ長調。この曲の終わりPrestissimoの直前、4分の3拍子Maestosoという4小節(916-919小節)がある。

(譜例、筆者作成)

ベートーヴェン交響曲9番

ここには4分音符60という表示があるが、これをほぼ倍の遅さで演奏することが蔓延していた。さすがに最近はこれを本来のテンポで演奏することも増えてきたが、20世紀においてはほとんどの演奏がそうだったと言ってよいだろう。

一体このような間違ったテンポを誰が始めたのかはわからないが、少なくともワインガルトナーが「ある指揮者の提言」でこの悪しき習慣を定着させてしまったと言って間違いない。彼は「正しいメトロノームの指示としては、おそらく8分音符60位であり、スコアに示されている4分音符60という指示は決してこの部分には当てはまらないのである。」などと言って、ベートーヴェンの指示を実にあっさりと無視してしまっているのである。

ショスタコーヴィチの5番のテンポを考える時に、このベートーヴェンのMaestosoもあわせて考えてみるといいと思う。

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  1. 2010/10/13(水) 16:15:37|
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無視されたフォルテ(ベートーヴェン交響曲第1番)
ベートーヴェンの交響曲第1番の第4楽章のコーダで、ピアノで始まった第1テーマが突然フォルテになる所がある(第246小節、楽譜によっては提示部の繰り返し括弧を含めるために第248小節となっている)。

ベートーヴェンの交響曲第1番の自筆譜は失われている。下の画像は初版譜であるが、上段右端の小節が問題の箇所。

Beethoven Sym 1

後の楽譜と比較しやすいように、楽譜ソフトで作成した。

Beethoven Sym 1

これに一体何の問題があるというのか、ぼくにはさっぱりわからないが、ベーレンライター社から出ているベートーヴェン交響曲集の原典版では、この場所が次のように「修正」されている(スタッカートの点やくさびなどの細かい事についてはここでは言及しない)。

Beethoven Sym 1 4th mov urtext


第1ヴァイオリンとフルートに第246小節の頭から付けられていたフォルテが、2拍目の2つ目の16分音符にずらされてしまっているのである。 

一体どんな資料に基づいてこのような「修正」が行なわれたのか、私は校訂報告を見ていないのでわからないが、もしこの楽譜の校訂を行なったデル・マー氏が勝手な自分の音楽的判断で行なったのならとんでもない暴挙だし、もし何らかの資料にもとづいているのなら、その資料が間違っているのである。
いずれにせよ、楽譜の校訂には最終的には校訂者の音楽的判断が付きまとうので、デル・マー氏の音楽的判断の誤りと言って間違いない。

この場所は、すでに3回も(提示部を繰り返すとして)ずっとピアノで演奏されて来た第1テーマが、突然予期しない場所でフォルテになって聞く人をびっくりさせるところである。ハイドンのびっくりシンフォニーみたいなものである。
まことにユーモアのある楽しい場所なのに、ベーレンライターの楽譜のおかげでこの場所が台無しになってしまった演奏が広まっている。いやこの場所だけでなく、この交響曲全体が台無しにされていると言っていいと思う。

大体第1ヴァイオリンとフルートで演奏されるメロディーがピアノのままなのに、伴奏である第2ヴァイオリン以下の弦楽器がフォルテで16分音符をきざむなどということがどれほどナンセンスか、ちょっと考えたらわかるではないか。それにここはそれまでとはオーケストレーションも違っているのである。フルートが第1ヴァイオリンの1オクターブ上で重ねられているし、チェロとコントラバスが第2ヴァイオリンとヴィオラと同じように16分音符を刻んでおり、何かが起こりそうな気配を漂わせている。

さらに言えば、第246小節の頭からフォルテになる、つまりフレーズの途中で唐突にフォルテになるからこそ必然性があるのであって、2番目のフレーズからフォルテになるのでは何の必然性も感じられないのである。

ベーレンライターの楽譜を使ってこの曲を演奏される方は、この場所にくれぐれも気をつけて、決して楽譜に従わないようにしましょう

しかしこの問題のそもそもの元凶はワインガルトナーである。彼は「ある指揮者の提言」(日本語訳43ページ)で勝手にここはベートーヴェンの不注意による誤りだとして(!)修正を施したのである(第246小節をピアノで始めてクレッシェンドして第247小節からフォルテにする。フルートと第1ヴァイオリンは16分音符からフォルテ)。

自分に理解できないからといって、ベートーヴェンが間違っているというのだから、全くひどい話である。


べーレンライター版による間違った演奏の一例(8分5秒当たり)。
注)あくまで楽譜の間違いの例として取り上げているのであって、演奏の良し悪しについて言っているのではありません(演奏者の皆さん、申し訳ありません)。




旧来のブライトコプフ・ウント・ヘルテル版(おそらく)による正しい演奏の一例(8分20秒当たり)。




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  1. 2010/10/09(土) 15:54:34|
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